🎶コンクール曲紹介🎶
- utabiyoriutagokoro
- 9 分前
- 読了時間: 6分
いよいよ今週末に迫った、「群馬県合唱コンクール」!!
今回の記事では、コンクールで演奏する3曲について紹介させていただきたいと思います!
どの曲も大変興味深く、その背景を知れば知るほど好きになっていきます。
ぜひ、最後まで読んでいただけたら嬉しいです💕
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課題曲
✦ 『河 「一滴の静寂のために」から』
(詞 石原吉郎/曲 福丸光詩)
戦後の日本を代表する詩人、石原吉郎氏によって1974年に発表された、エッセイ「海を流れる河」。「河」という詩はその冒頭に登場します。
❝河口を迎え海へあふれ出た河が、海に紛れることなく「ゆたかな河床」を生み出し、「海よりもさらにとおく」「さらにゆるやかに」、最後まで河の輪郭を保ったまま海を流れ続ける、河の生き様を語った詩となっています❝
この詩に福丸光詩氏が曲を付け、混声合唱組曲「 一滴の静寂のために」として「第36回 朝日作曲賞」を受賞しました。
この詩が描かれた背景には、戦時中を生き延びた石原氏の壮絶な体験がありました。少しだけご紹介します。
戦時中、語学力を見込まれて満州の「ハルビン特務機関」へと配属され、海を渡った石原氏。
しかし1945年、日本は敗戦。彼は、満州にて旧ソ連軍に捕虜として捕らえられ、さらに1949年には形式的な裁判により「スパイ容疑」で起訴、有罪判決を受けてしまいます。
冬には、外気温が氷点下30度を下回る過酷な地で、飢えや病と闘い、さらには犯罪者として扱われながら、約8年もの間肉体労働に従事しました。
そして1953年、スターリン死去による特赦で奇跡的に日本へ生還します。
帰国後、石原氏はシベリア抑留体験をもとに数々の詩集や評論集を発表し、人々の心をつかみます。エッセイ「海を流れる河」もその1つで、彼がシベリアで出会ったアンガラ河の一支流が着想源となっています。
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曲の冒頭、ピアノの開始音である長9度の和音はまるで水が一滴、水面に落ちるように静かに、それでもハッキリと響きます。この後広がる河や海のもととなる、小さな一滴にクローズアップしているかのようで印象的です。
曲調は常に短調で進みますが、河の転換点とともに訪れる転調によって、河が確実に前へと進んでいる様子がうかがえます。
たびたび登場する「三連符」は河のうねりを、「4パートによるカノン」は、4本の河の流れを表しているかのようです。
石原氏が河の流れに見立てて描いた、静かな「決意」と「諦め」、そして最後まで埋まることのない「寂しさ」。
その世界観が、福丸氏の生み出した不安定で幻想的なハーモニーによって私達の心に深く流れ込んできます。
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この曲を演奏するにあたり、初めて聴いてくださった方々が「この曲にはきっと深い理由があるはず!」「作曲者の意図は?」と、その背景に興味を持ってくれるような、そんなドラマチックな演奏を目指したいです。
きっと石原氏も、シベリアでの壮絶な体験がまさか「合唱曲」となり、戦争経験のない者に歌われるなんて想像もしなかったでしょう。
この出会いに感謝し、こだわりぬいた私達の表現で先人達の想いを伝えていけるよう、突き詰めていきたいと思います。
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自由曲 1曲目
✦『Daluyong』
(詞 Joey Vargas /曲 Ily Matthew Maniano )
この曲は、フィリピン発祥の曲でありタガログ語で歌われています。題名の「Daluyong(ダルヨン)」は、タガログ語で「大波/うねり」という意味です。
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台風被害を最も受ける国のひとつといわれているフィリピン。2013年に発生した「台風 ヨランダ」は史上最大級規模で襲来し、死者・行方不明者数合わせて約8000人を超えるという、甚大な被害をもたらしました。
この曲は、その犠牲者への追悼の意を込めて作られた作品で、2017年の「アンドレア・O・ヴェネラシオン国際合唱祭」の課題曲として委嘱されています。
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曲は嵐の前の不気味な静けさから始まります。ついにやってきた嵐は、歌声と足踏みでダイナミックに表現され、最後には復興への希望を込めた祈りへと変化していく、壮大な曲となっています。
この曲で一番聴き応えのあるところは、なんといっても「自然の猛威」を歌いあげる場面です。
つま先から頭頂部まで、体全体を駆使した発声と、発声に全力投球でありながらも周りを感じる冷静さで、モンスターとなった自然を表現します。
人間の体だけで、災害の緊迫感を創り出すのはとても難しいことで、高い集中力と練習の積み重ねが必要不可欠です。本番では、うた日和史上最高の音圧と音楽のうねりで会場全体を嵐の中へと引き込めるよう、精進しています。
曲中で何度も登場する言葉「Daluyong」。
曲の最初の方では雨風や津波を表現していた「Daluyong(大波)」は、後半になるにつれ人々の悲しみの大波へと変化しているように感じます。
そしてこの悲しみの大波は、もう一つの聴きどころであるセリフのシーンに繋がります。
一人一人が次々と、「大切な人を亡くした」と叫ぶシーン。このセリフは、亡くした悲しみを叫んでいるのか、それとも大切な人を忘れないという追悼の想いなのか。
それぞれの答えを胸に歌っていきます。嵐が鳴り止んだ静寂のなかで、歌い手一人一人の集中力と演技力が試されるこの場面は必見です。
この曲を演奏し、その背景に触れることで、私達の祈りが場所や時間までも超えて、当事者の方々に届くことを願っています。
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この曲では、初めてタガログ語に挑戦しています。それだけではなく、ダイナミクスを表現するために今までの発声を覆さなければならなかったり、演技力が試されたりと難しいことばかりです…!!
それでも、自称パッション系合唱団のうた日和なら、絶対に歌いきれるはず!!
そう信じて、日夜練習しています!ぜひコンクールでの演奏を楽しみにしていてください💪💪
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自由曲 2曲目
✦『Gloria』
(曲 Ily Matthew Maniano)
この曲は、「Daluyong」の作曲者でもある、Ily Matthew Maniano氏によって作られた作品です。
フィリピンの作曲家である彼は、現在日本でも人気急上昇中です。
もともと、Maniano氏が音楽監督を務めるフィリピンの男声ボーカルグループ「Male Ensemble Philippines」のために作られた男声合唱曲でしたが、その後、彼がコロナ禍に立ち上げたバーチャルクワイア「SONOS Voiceof Hope」のために混声合唱曲として編曲されました。
歌詞は、聖書に由来する「Gloria in excelsis Deo 」のみ用い、圧倒的なリズム感と強弱による音のうねりで華やかに駆け抜けていきます。
神秘的な和音を奏でる場面もあれば、複雑な変拍子とシンコペーションで躍動感溢れるリズムが刻まれる場面もあり…!!!
讃美歌的な美しさと、現代楽曲的な馴染みやすさが融合した、とても面白い音楽です。
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「Gloria」は、「河」「Daluyong」と異なり物語性が少ない曲です。
人々の心を動かす背景を表現する、というより、正確に刻まれたリズムと正確に響く和音、そしてダイナミクス、という技術力を楽しむ音楽だと考えます。
それはある意味、機械的な演奏かもしれませんが、その特性をあえて引き出し、前の2曲とのギャップをインパクトとして残したいです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました💕💕
この記事を読んで、「今年のうた日和はどんな演奏をするのだろう!」と興味を持っていただけたら幸いです🙇
群馬県合唱コンクールまで、もうひと踏ん張り!!頑張ります!!



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